2024年2月21日(水)にConnect for oita ventures 交流会イベントVol.6を開催いたしました。
TALK EVENT
第6回目は、本事業の最終交流会として、大分ITネットワーク社会研究会、Connect for oita venturesとの共同開催でトキハ会館ローズの間で実施。The Breakthough Company GO 代表取締役・三浦崇広氏にご登壇いただき、『超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす』をテーマに、クリエイティブとは何か、クリエイティブの力がもたらす未来などについてお話いただきました。
イベントレポート
PR、クリエイティブディレクターとして、“クリエイティブの力”で多数の実績を残している三浦さんは、全国各地での講演会のほか、クリエイティブ能力向上を目的とした教育プログラム『THE CREATIVE ACADEMY』の主宰もつとめています。
実績豊富な三浦さんが考えるクリエイティブとは、『人間の感情に働きかけて課題を解決する力』。クリエイティブは商品やサービスの価格・品質・チャネルに並ぶ購買決定要素となり得るものであり、人は論理ではなく、感情や感性が動かされたときに購買意欲が高まると分析します。「どうしてもこれがほしい!をつくれるのがクリエイティブの力です」と三浦さん。実現のためには、消費者の感情に寄り添えているか、喜んでもらえるかを考えることが重要で、これこそがビジネスの成否を決めると断言します。
以前は、「クリエイティブなんてうちには関係ない」と考える業界も多かったといいますが、さまざまな業界で今、クリエイティビティが必要とされています。その理由は、『資本主義経済の限界』と『人口減少』という、現代の日本が抱える社会課題が関係しているといいます。そんな時代だからこそ今後ビジネスに求められるのは、ブランド化による価値の改革と、サービス化によるリピート客獲得の2つ。いずれも顧客の感情に対するアプローチであり、だからこそクリエイティブの力が重要視されているのです。
具体的なブランド化の例として挙げたのが、老舗酒蔵が手がける日本酒についてです。製造過程にとことんこだわることで必然的に値上がりしましたが、消費者は、商品の物語性や希少性、品質の高さを価値としてとらえるため、高価格帯の商品にもかかわらず売上が向上。商品の価値を高め、ブランド化を実現した好例です。
また、サービス化によるリピート客獲得として、自由で豊かなワークスタイルを提供するシェアオフィスや、サブスク販売のカラコンを例にお話いただきました。さらにサービス化を加速させるためには、リッチ化(特別感)と空気化(自然な習慣)の二方向からの“体験の磨き込み”もポイントです。
いずれも、顧客の感情に対するアプローチであることから、これを実現するためにクリエイティブの力とされていることがわかります。
「ブランド化とは、あらゆるステークホルダーとの約束」だと話す三浦さん。ブランディングにおいてインナーイメージが大切なのは当然のことで、まず社内に自社のブランドイメージをしっかりと浸透させることができれば、世の中へ浸透していくはず。ブランドは広告でつくれるものではなく、実績によって築かれていくものであり、企業のあらゆる活動の積み重ねが、企業ブランディングへとつながっていくといいます。「ブランドコンシステンシー(イメージの一貫性や統一感)を持ってやり続けることが大切。ステークホルダーとの約束を果たすことで、ブランド力が高まります」と三浦さん。『落ち着いて過ごせるカフェといえば?』『日常を快適にしてくれる洋服といえば?』といった、ブランドや企業の価値を語れば『ここだ』とイメージがしっかり紐づけされることによって、ステークホルダーとの約束を果たすことにもつながります。
「地方とは、東京から見れば辺境。世界から見れば日本の先端。」という言葉が印象的でした。地方だから難しいという発想は、もはや古い考え方。規模や業種・業態に関わらず、クリエイティブの力をとりいれることで可能性が広がり、新たなビジネスチャンスにつながるかもしれません。「ブランドを考えることは、『自分自身の本当の価値』や『あるべき未来』を考えること」という三浦さんの言葉にもあるように、自社のブランドについて改めて考えをめぐらせて、それをクリエイティブの力で実装へとつなげてみるといいのではないでしょうか。