2026年1月22日(木)にConnect for oita ventures 交流会イベントVol.24を開催いたしました。

TALK EVENT

日々の業務の中でも、生成AIを活用する場面が多く見られるようになってきています。一方で、どの業務をAIに任せ、どのように取り入れるかについては、現場ごとに模索が続いているようです。便利さを感じる一方で、その扱い方については、まだ手探りの段階にある。そんな感覚を持つ人も少なくないのではないでしょうか。

今回のイベントでは、SEPTENI CORE株式会社 代表取締役社長の肥後博之氏と、株式会社デライトチューブ 代表取締役社長の三谷晃平氏が登壇。「攻めと守りの生成AI戦略〜自律型AIワークフローとAIインフルエンサー育成〜」をテーマに、生成AIを業務のなかでどう設計するか、そして事業の価値を広げるためにどう活用するかという二つの側面から、お二人の取り組んでいる業務を交えて「攻め」と「守り」という観点でお話しいただきました。

イベントレポート

守りの視点:生成AIを業務にどう組み込むか

セッション前半では、生成AIを業務の中にどのように組み込むかという「守り」の視点を中心にお話しいただきました。生成AIはすでに多くの業務で使われ始めていますが、単発の指示だけでは完結しない作業や、人の判断を必要とする工程も少なくありません。

そこで議論されたのは、生成AIを部分的に導入するのではなく、業務全体の流れをどう設計し直すかという点。目の前の効率化にとどまらず、業務の前後関係や役割分担を含めて見直す必要性があると言います。

AIエージェントとオーケストレーション

その中で話に挙がったのが、AIエージェントやオーケストレーションという考え方です。複数のAIが役割を分担し、計画から実行までを連携して進めていくことで、業務フローそのものをAIに任せていく。

特定の仕事がなくなるというよりも、業務の中にある定型的な作業=繰り返し発生する業務や判断をAIに任せることで、人は考える時間を確保し、企画や表現といったクリエイティブな領域により注力できるようになるといいます。

これまで個人に依存しがちだった仕事についても、優秀な人材の思考プロセスをAIに落とし込み、型として共有することで、誰でも一定水準の提案ができるようになる技術へとAIの活用についても進化し続けています。

攻めの視点:生成AIで価値をどう広げるか

後半では、「攻め」の視点として、生成AIを新たな価値創出につなげる取り組みが紹介されました。広告やマーケティングの分野では、生成AIを活用することで、クリエイティブ制作の進め方そのものが変わりつつあります。

一つの素材から複数の表現を生み出し、ターゲットやシーンに応じて使い分けていく。こうした考え方は、すでに実務の中で現実的な選択肢として広がり始めていると言います。

生成AIによる新しい表現と、その扱い方

具体例として挙げられたのが、AIインフルエンサーやボディモデルに取り入れるケース。実在の人物に依存せず、AIで生成した身体表現を活用することで、撮影コストやプライバシーへの配慮といった課題に対応しながら、新しい表現の可能性を探っていく動きが紹介されました。生成AIを活用することで、これまで難しかった表現にも取り組めるようになる点が、ひとつの強みとして語られていました。

一方で、こうした表現を実務に取り入れていく際には、考えておくべき視点もあります。個人情報や著作権、肖像権といった問題は、生成AIが業務や事業に入り込むほど、より現実的な課題として立ち上がってきます。何を学習させ、どこまでをAIに任せるのか、最終的な判断を誰が担うのか。この点を整理しておくことが、生成AIを継続的に活用していくための前提になると言います。


業務の中に組み込む「守り」の設計と、価値を広げるための「攻め」の活用。その両方を行き来しながら、自分たちの仕事に引き寄せて考えていくことが、これからますます重要になっていくのではないでしょうか。生成AIはあくまで手段であり、最終的に判断し、使いこなしていくのは人です。
今回のイベントが、参加者それぞれにとって、生成AIとの向き合い方を考えるひとつのきっかけとなっていれば幸いです。

参加者との質疑応答の様子