2024年2月9日(金)にConnect for oita ventures 交流会イベントVol.5を開催いたしました。

TALK EVENT

5回目となる今回は、東京SENQ霞が関を会場に、大分市在住の画家、北村直登さんにご登壇いただきました。『画家・北村直登の論理的思考』をテーマに、どのような考えのもとに制作活動をしているのかを伺いました。

イベントレポート

福岡県出身の北村さんは、16歳でブラジルへサッカー留学。帰国後に大分市の高校に進学し、プロのサッカー選手を目指していました。そんな北村さんが絵を描き始めたのは大学卒業後。きっかけは「小さい頃に母親に絵を褒められた記憶」だったそうです。

ナンバリングを始めてから約2万5000点もの作品を描き続けているという北村さん。路上で絵を売りながら、アトリエでの創作活動を続けてきた北村さんの名が全国区になったのは、2014年の大ヒットドラマ。今や有名画家として名を知られる存在でありながら大分市で活動を続けている理由は、「育ててもらった大分に恩返しがしたい」という思いだといいます。

「売れるものではなく、描きたいものを描いてきました」と振り返る北村さんですが、“論理的思考”というテーマでご自身のこれまでを振り返ると、「自分がめげないようにする最低限のルーティーンを大切にしてきたこと」と分析します。売れなかった次の日も必ず路上へ出ること、100点満点の作品でなくても良い、自由な作品であること…“描くこと”を嫌いにならないための思考を大切にしてきたそうです。

いち画家として作品を生み出してきた北村さんが、販売というビジネスの世界へ。対面販売にとどまらず、インターネットでの販売にも着手しました。さらに広く知られるようになり、全国で着実にファンを獲得。しかし、「自由な発想を大切にする」という原点は崩しませんでした。「売れる絵が、必ずしも“良い絵”とは限りません」と話す北村さんが大切にし続けたのは、ご自身のバイオリズムと素直に向き合うことです。「自己評価で、30点の作品もあれば、50点の作品もあります。これは売れないなぁと思う作品であっても描き続けることで、飛びぬけて良い作品が描けるようになりました」と北村さんは、『自分の作品は、絵を描かない人のために向けたもの』だからこそ、感性のおもむくままに描くことを大切に。毎日、少しでも時間があればキャンバスに向かっていたいと話す北村さんの、『素直に自分と向き合う姿勢』は、ビジネスの本質ともいえる考え方ではないでしょうか。

サッカー選手を志し、紆余曲折を経て画家へ。「振り返ってみれば、手段はなんでも良かったんだと思います。自分が本質的に求めていることに従うことが大事です」と北村さんは、「ビジネスの規模を大きくしたいというより、世の中に求められていることにアートで応えていきたいです」と、表現とビジネスの両立を上手なバランスで実践されているようです。世の中のニーズに応える柔軟な進化をしながらも、画家としての信念を貫き続けているからこそ、多くのファンの心を掴むのではないでしょうか。

クリエイティブな世界は、言葉や文字にしづらい難しさがあります。「絵を見て感じる“なんか良いな”はきっと言葉を超えた瞬間です。そういう意味では、作品との向き合い方や描き続けるコツは論理的でしたが、その先は感情なのかもしれません」と北村さん。論理の枠を超えた先にある感覚や感情にこそ、人の心を動かす感動を生むチカラがあるのかもしれません。

大分県に拠点を置く画家として、「大分県の観光資源になりたい」という北村さん。アートのまちとして定着しつつある大分県を代表するアーティストとしてさらに飛躍し、地域活性化を担うアイコン的存在としての活躍を目指します。「アート県おおいたと名乗ってほしい」と、行政や地域と一体となり、アートで地域貢献を実践する北村さんの活動は、さまざまなビジネスに置き換えられる考え方なのではないかと感じました。

参加者との質疑応答の様子